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AIでがん発見可能に

現在、あらゆる分野で人工知能(AI)の発展が話題になっています。囲碁や将棋から自動運転までAIの話を耳にしない日はないほどです。

医療の分野でも応用が始まっています。CT(コンピューター断層診断装置)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)などの画像診断において、AIが患者さんの画像から異常所見を指摘することが可能になってきました。

消化器の分野では昨年、AIを活用して、内視鏡画像から胃がんや大腸がん、大腸ポリープを検出するシステムが開発されました。がんはもとより、小さな大腸ポリープも98%の精度で発見することに成功しています。これらの診断能力は内視鏡専門医に匹敵するほどでした。おそらく10年以内にはAIによる自動診断ソフトを装備した内視鏡機器が浸透するでしょう。

今後期待されるのは検査時間の短縮です。これで患者さんの負担は大きく軽減されます。また、検査医のストレスも大幅に減らすことができます。いずれAIを活用したがんの早期発見と早期治療が普通になるでしょう。楽チンな検診でがんによる死亡率が減れば、人生100年時代といわれる昨今、更に日本人の寿命は伸びていくのでしょうか?それが幸せなのかは、また別の話ですね。

平成30年6月26日 北國新聞朝刊掲載

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