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膵臓がん、検査で早期発見を

 膵臓は胃の裏側にあるバナナ状の臓器です。がんができても痛みが出にくいため「沈黙の臓器」と呼ばれています。膵がんの死亡数はこの40年で5倍以上に増加しました。最新の統計では、日本人のがんによる死亡原因の第3位です。年齢別では60代、性別ではやや男性に多く発症します。   
 喫煙、過度の飲酒、膵臓がんの家族歴、糖尿病、慢性膵炎などとの関連が指摘されています。初期症状はほとんどなく「食欲不振」「体重減少」「みぞおちや背中の鈍い痛み」「糖尿病の悪化」などが代表的な症状です。
 診断にはまず、血液検査で腫瘍マーカーを確認します。次に腹部超音波やCT(コンピュター断層撮影)検査をします。1回の検査では診断が難しい場合が多く、必要に応じて造影剤を使用したCTやMRI(磁気共鳴画像装置)検査、超音波内視鏡検査を行います。
 治療方法としては手術、抗がん剤治療、放射線療法です。最近ではこれらを組み合わせることで治療成績が大幅に向上しています。予防はまず、禁煙や節酒、バランスの取れた食事、適度な運動など、生活習慣を見直すことです。脂っこい食事は多くありませんか?野菜は足りていますか?週にどれくらい運動していますか?
 膵臓がんは、決して治らない病気ではありません。早期発見の鍵は、いつもと違う体調の変化に気づくことと定期的な検査です。気になる症状があれば早めに専門医にご相談ください。

「健康よもやま話」令和7年12月4日 北國新聞朝刊掲載

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