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好酸球性胃腸炎に注意

 吐き気、嘔吐、腹痛、お腹の張りがあれば様子を見ることもありますが、加えて、血便、腹水などが1カ月以上続く時は注意が必要です。好酸球性胃腸炎は白血球の一種である好酸球が消化管に沢山集まり、炎症を起こす病気です。
男女差はなく、いずれの年代でも発症し、40代がピークです。過去に何らかのアレルギー歴を有することが多いとされています。原因は未だ解明されていません。 炎症を悪化させるものとしては、ある種の食物、花粉、アレルギー性鼻炎などがあります。発症リスクを高める因子は、両親の鼻炎、喘息、アトピーなどのアレルギー疾患です。
 診断には消化管内視鏡検査を行います。粘膜面の発赤、ただれ、むくみなどが特徴的ですが、内視鏡検査だけでは確定診断ができません。組織を採取して顕微鏡検査を行い、好酸球が消化管に集積しているか確かめます。 血液検査で好酸球の増加が認められるほか、腹部C T検査も有用です。胃や腸管壁の肥厚を確認し、腹水があれば必要に応じ腹水を採取します。
 標準治療はステロイド薬の服用です。原因となるアレルゲンがわかる場合は、その食品を除いた食事療法も有効です。一部の患者さんには、酸抑制薬、抗アレルギー薬が効果を示すこともあります。症状が続く場合には、早めに専門医にご相談ください。

令和7年2月27日 北國新聞朝刊掲載

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