健康よもやま話
腸をいたわる生活習慣を それは虚血性大腸炎?
突然の腹痛でトイレに駆け込んだら下痢。真っ赤な血が混じっていたらギョッとしますね。虚血性大腸炎かもしれません。大腸への血の循環が悪くなり、炎症や潰瘍を生じる病気です。でも心配はご無用。ほとんどは一過性で、後遺症も残らないのですから。
高血圧、糖尿病、高脂血症などや加齢による動脈硬化が原因とされ、高齢者に多いのが特徴ですが、時には便秘のひどい若い女性でも発症します。屈強な若い男性にも症状がみられ、大量に飲酒した後に下痢をして、下血が続くこともあります。脱水が引き金となった可能性が考えられます。
大切なのは何よりも腸の安静です。治療は整腸剤を服用し、経口補水液などで十分な水分補給を心がけ、数日間の絶食とします。スポーツドリンクや柑橘類以外の天然果汁もよいでしょう。
予防としては、便秘をしないように良い排便習慣を保つことが大切です。普段から食物繊維の多い食事や運動を心がけましょう。腸をいたわってください。
一方で、突然の腹痛や下血は大腸がんなど病気のサインであることもあります。専門医の受診をくれぐれもお忘れなく。
平成28年12月3日 北國新聞朝刊掲載