健康よもやま話
お酒飲まないのに脂肪肝
「え、まさかお酒を飲まない私が脂肪肝?」健診を受けた50代女性は納得のいかないご様子。お酒を飲まない人に脂肪肝は起こりにくいとされていましたが、実は脂肪肝には、お酒を飲み過ぎた人がなりやすいアルコール性だけでなく、お酒を飲まないのに脂肪がたまる非アルコール性があります。
肥満や運動不足、甘い物のとり過ぎが原因で、脂肪肝の患者はこの10 年間で約2倍に増えました。多くは肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧といったメタボリックシンドロームを下地にして起こります。非アルコール性脂肪肝の人でも1〜2割は炎症を起こし、肝細胞が壊れて肝硬変や肝がんに進んでしまいます。
脂肪肝は自覚症状がほとんどありません。しかし、血液検査や腹部の超音波・CT検査をすれば容易にわかります。治療は食事や運動など、生活習慣の改善から始めます。過食を避け、酒類や甘味の強い清涼飲料水、缶コーヒー、果物の取りすぎも注意しましょう。
揚げ物や炒め物、菓子パンや洋菓子を控え、青魚やビタミンEを含む緑黄色野菜を多く取るようにします。週に3〜4回、30分以上のウオーキングや水泳などの有酸素運動も理想的ですね。
平成29年3月11日 北國新聞朝刊掲載