健康よもやま話
お尻が急に痛んだら
「昨日まで何ともなかったおしりが急に腫れて痛くて座れんのやわ。鏡で覗いたら肛門の出口にぷっくりと脹れたおできがあってびっくり」。これは、便秘、下痢、冷え、過度な飲酒など一時的に肛門に負担がかかった時にできる血栓性外痔核が原因です。
肛門の周囲や肛門から入って3㌢くらいまでには、血管が網の目のように集まっている静脈叢(そう)があります。この静脈叢の部位で血が固まって血栓を作り、肛門の外が大きく腫れ上がった状態を血栓性外痔核と言います。痛みの程度は激痛から違和感程度までさまざまです。できる場所が痛みを強く感じる肛門の出口付近なので、小さくてもひどく痛む場合があります。また、腫れた部分の皮膚が破れると、血栓が溶けて赤黒い血液がしみ出してきます。
治療は、鎮痛剤を使用し痔の軟膏を塗って血栓が自然に吸収されるのを待ちます。3日ほどで痛みはひきますが、コリコリした塊が完全になくなるには数週間かかります。
腫れている部分は、無理に肛門の中に押しこんだり刺激を与えないようにします。患部を温めるよう心がけ、毎日湯船につかったり、寒い日にはカイロを尾てい骨のあたりに当てるとよいでしょう。腫れがひどくて痛みの強い時はアルコールは禁物ですよ。
平成30年3月27日 北國新聞朝刊掲載