当院では、「A Iサポート型 肺がん診断」を導入しています
胸部X線検査は、健康診断、がん検診や日常診療において、さまざまな胸部疾患の診療に利用されています。しかし、その画像は骨や血管など全てが重なって写るため、病変を視認しにくいケースがあります。また、膨大な件数を医師が読影する中で見落としなく病変を検出するには、高い専門性や集中力を必要とします。肺がんの有無に関しては細心の注意を払い、できるだけ見落としがないように意識していますが、人間の目だけでは限界があることも事実です。
そこで当院では、LPIXEL社製の胸部X線画像から「肺がん」が疑われる肺結節候補域を検出する、医用画像解析ソフトウェア「EIRL Chest Nodule」を運用しています。胸部X線画像から条件を満たす肺結節の形状に類似した領域(5mm〜30mmまで)を検出し、医師による読影をサポートします。医師単独で読影した場合と比べ、A Iを用いて読影した場合には、放射線科専門医で9.95%、非専門医では13.1%もがんの検出率が上昇することが認められました。また、読影試験における診断性能を表すAUC(Area Under the Curve)値は、AIを併用すると6.9792ポイント向上し(p<0.0001)、診断精度の有意な向上が認められました。医師の診断とAI診断を上手く組み合わせることで、今後も最良の医療を提供したいと考えています。
胸部X線画像から肺結節候補域を検出
胸部X線画像から肺結節に類似した領域(5mm〜30mm)を検出することで、医師による読影をサポートします。
本ソフトウェアを併用して読影した場合、医師単独での読影感度は45.4% → 57.0%に大幅に向上しました。
※浸潤性でないもの、胸部内で他臓器との重なりがない候補域に限る。