大腸内視鏡検査とは
大腸内視鏡検査では、大腸(結腸と直腸)と小腸の一部を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、これらの部位に発生したポリープや癌、炎症などを診断します。組織の一部をとって調べたり(生検)、病変を内視鏡的に切除(ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術など)することもできます。
当院では、ご希望に応じて上部消化管内視鏡検査と大腸内視鏡検査を同じ日にすることができます。
大腸内視鏡検査の受け方
事前検査
検査を安全に行うために、全身状態を調べたり感染症の有無を知るために、血液検査やその他の検査を行う場合があります。
検査の前処置
大腸の内視鏡検査を行うには、大腸の中を空にしなければなりません。検査の予約の際に渡される説明書に従って準備してください。
下剤を自宅で服用していただく場合と、検査日に来院してから服用していただく場合があります。
検査前日の夕食は、軽くする場合や、ご購入いただいた検査食(クリアスルー)を食べていただく場合があります。
眠前にお渡した下剤を内服します。
当日の朝食は絶食です。
例1.モビプレップ法(洗腸剤約2Lを検査当日服用)
例2.マグコロール法 (洗腸剤約1.8Lを検査当日服用)
例3.ビジクリア法(錠剤型洗腸剤約50錠を2Lの水またはお茶で検査当日服用)
ただし、排便状態が十分ではないときには下剤の服用を追加したり、浣腸を追加することがあります。
検査当日の手順
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検査の前日は消化の悪いもの(繊維が多い、種が多いなど)は控えてください。
ご希望により検査食を購入していただきます。
前日の夕食は午後9時頃までにとり、その後は絶食です。水やお茶、スポーツ飲料はとっても構いません。 -
検査前日の寝る前に、お渡しした下剤を飲んでいただきます。
当日は、約2リットル程度の大腸の洗浄水を飲みお腹の中を空にします。お好みに応じて錠剤型の洗腸剤も用意します。
常用薬に関しては、事前に医師にご相談ください。 -
便がきれいになったら、内視鏡室に移動して検査着に着替えます。
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検査室のベッドに横になり、ご希望に応じて体の緊張をとる鎮静剤の注射や点滴をします。
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検査中はリラックスしてベッドに横向きになってください。
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大腸をよく観察するために横向きから仰向きになっていただく場合もあります。
医師の指示に従ってください。 -
検査が終わった後は、鎮静剤の影響で眠気やふらつきなどが現れる場合があります。
回復室で30分程度お休みいただきます。 -
検査当日のお車の運転はできるだけ控えてください。
検査でポリープを切除した場合、出血予防のため検査後1週間は、激しい運動、旅行、出張などはお控えください。
検査後の注意事項
- おなかが張る場合もありますので、ガスがたまればどんどん出してください。時間を追って楽になります。
- 最初、水を少しのみ、気分が悪くならなければ食事をしても結構です。
- 組織やポリープをとった場合は、医師の指示により一定期間消化の良い食事をしてください。刺激物、脂っこいもの、アルコール類は避けてください。
- 検査後、便に少量の血が混じることがありますが心配いりません。しかし、出血量が多くなかなか止まらない場合や、痛みが続く場合には当院へ至急連絡してください。
- 検査当日の激しい運動はおやめください。また、お風呂も長風呂を避け、シャワー程度が無難です。
- 内視鏡検査当日に診察室で画像を見ながら結果をお伝えします。生検をした場合、最終病理検査結果は後日となりますので、次回外来診察日を確認してください。
- 切除した病変は病理検査に提出し顕微鏡で詳細に調べます。その結果、内視鏡による追加切除や外科治療が必要となる場合があります。
- 検査当日の車などの運転はできるだけ控えてください。
大腸内視鏡検査の偶発症
内視鏡検査は、通常は痛みもなく偶発症が起こることはまれです。組織検査のため一部をとって調べたり、ポリープ切除などの内視鏡治療を行ったりした場合は、ごくまれに出血や穿孔(大腸に穴が開く)などの偶発症を起こすことがあります。万が一偶発症が起きた場合は、入院や緊急の処置・手術が必要になることもあります。なお、2010年に発表された全国調査報告(2003~2007年)によると、大腸内視鏡検査および治療に伴う偶発症発生率は0.078%(1000人に1人以下)でした。