検査について マイクロアレイ血液検査(消化器系のがんリスク検査)

マイクロアレイとは

マイクロアレイとはがんなどに対する体の反応を遺伝子レベルで測定できる最新の技術です。血液ががん細胞に反応する状況を世界で初めて遺伝子レベルでとらえることができるようになりました。これを利用し開発されたのが、マイクロアレイ血液検査です。
一方、血液を使ったがんの検査の1つに腫瘍マーカーがあります。これはがん細胞が作り出すタンパク質などを測定することで、がんであるかどうかを診断するものです。しかし腫瘍マーカー単独でがんを診断することは難しく、現状では、がん診断の補助や治療後の経過観察の検査として用いられています。

検査の流れ

マイクロアレイ血液検査の特徴

  1. 消化器のがんに対して9割以上の高い感度を示します。
  2. 胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がんが検査の対象となり、一度の採血で検査できます。
  3. 採血は1回たったの2.5ccのみです。
  4. 特殊な薬を使用せず、X線被爆の心配もありません。
  5. 検査結果の報告までは約2週間です。
  6. この検査で遺伝子病などに関わる遺伝子情報が知られることはありません。

マイクロアレイ血液検査の意義

マイクロアレイ血液検査による消化器がん解析は、病気による変化が認められるかどうかを測定しますので、特定の遺伝子が極端に増減している場合は消化器がんの可能性があります。ただし、大腸ポリープや強い炎症性疾患あるいは免疫抑制剤を服用している場合も遺伝子の量に変化が現れ、陽性と判定される場合があります。しかし、その確率は臨床試験ではわずか7%でした。陰性と判定される場合でも、がんの人を健康な人と間違えた例が臨床試験において1例報告されています。現在の検査において100%的中する検査はありません。この検査は健康状態を判断するための一つのデータですので、他の検査結果とあわせて担当医が総合的に判断することになります。

検査料金について

この検査は健康保険の適応とはなりませんので、費用は患者様の自己負担となります。
当院では71,500円(税込)で実施しています。

マイクロアレイ血液検査におけるQ&A

Q1.検査で「がんになりやすい体質」がわかるのですか?

この検査は、すでにがんがあることを判別するためのものです。がんになりやすい体質を判別するものではありません。

Q2.服用している薬で検査に影響が出ますか?

ステロイド、免疫抑制剤、抗癌剤、生物学的製剤(インターフェロン、各種ワクチン)などの投与を受けている方は、判定に影響する可能性がありますので、お申し出ください。降圧剤、糖尿病治療薬、高脂血症治療薬、消炎鎮痛剤は判定に影響しません。

Q3.消化器以外のがんがある場合は反応しますか?

この検査では主に消化器のがんの有無を判定します。しかし、それ以外にがんがある場合でも陽性反応を示す可能性がありますが、場所を特定することはできません。

Q4.以前大腸ポリープがあると言われましたが、検査に影響しますか?

以前に大腸内視鏡検査でポリープを切除され、2年以上経過している場合は陰性となるケースもありますので、内視鏡検査をお薦めします。2年未満もしくはポリープの切除を受けておられない場合は、本検査で陽性反応を示す可能性があります。

Q5.がんの場所などはわかりますか?

胃および大腸、膵臓、胆道が判別できます。ただ、すべてに陽性反応が出てしまい、場所を判別できないケースが35%程度あります。

Q6.がんの進行度などはわかりますか?

早期のがんか進行したがんかを判別することができます。早期のがんも陽性反応を示します。

Q7.結果が陰性の場合、次の検査まではどのくらいの期間をあけて検査をしたほうがいいですか?

おおむね1年ごとの、定期的な検査をお薦めいたします。

Q8.この検査を受けることによって、内視鏡検査など他の検査を受けなくても大丈夫ですか?

本検査では早期がんの1.5%ほどが陰性になることがあり、内視鏡検査で発見できる場合もありますので、他の検査機器での検診もお薦めします。

Q9.検査で陽性と判定された場合はどうすればいいですか?

当院の消化器専門医にご相談ください。精蜜検査をお薦めします。

Q10.マイクロアレイ血液検査には、どれくらいの費用がかかりますか?

健康保険の適応となりませんので、費用は患者様の自己負担となります。
本院では71,500円(税込)で実施しています。

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